6月16日(金) 旭川グランドホテル(旭川市6条通9丁目)で開催されました。
主催は、旭川ICT協議会と旭川市でした。
講師は、日本マイクロソフト株式会社技術統括室プリンシパルアドバイザー 大島 友子 氏です。
大島氏は、マイクロソフト入社後、プロダクトマーケティングなどに従事した後、2007 年からアクセシビリティ担当として障害のある方や高齢の方に向けた技 術や活動を担当。
障害や困難のある子どもの教育、障害のある人の就 労、高齢者の健康増進など、ICTを使ったプロジェクトに取り組んでいる。

挨 拶
小川博 氏
概要、次のような話をされました。
ICTのユニバーサルデザインは、障害のある方や高齢の方にテクノロジーを使ってパソコンやインターネットにアクセスすること(使うこと)を可能にする(→アクセシビリティ accessibility=access+abilityを目指す)デザインする考えです。
「ユニバーサルデザイン」と似た言葉に「バリアフリー」がありますが、「バリアフリー」は障害者・高齢者などの生活弱者にとって生活に障害となる物理的な障壁の解消であり、「ユニバーサルデザイン」は、個人差や国籍の違いなど似も配慮する。
現在、国内では、障害のある方は、身体障害者が約400万人、知的障害者が74万人、精神障害者が392万人居られる。世界では7人に1人といわれる。
また、全国の小中学校生の6.5%が発達障害を抱える[学習障害(学習面で著しい困難を示す)4.5%、注意欠陥・多動性障害(学習面で著しい困難を示す)3.6%、対人関係やこだわり等の問題を著しく示す1.1%]。発達障害は、改善するものもあるが、子供のときだけには留まらない。
困難を可能にするテクノロジー

講師
大島 友子 氏
マウスやギーボード操作の困難
ウィンドウズの簡易操作機能にアクセシビリティ機能が提供されている。
- スクリーンキーボード
- 様々なスイッチ……指先やほおなどの身体の一部でも僅かに動かせるところに合わせたスイッチ
- ジェスチャー
- 音声入力
- 視線でカーソルを移動する文字入力
聞くことの困難
音声支援機器の活用……テキスト中心のコミュニケーション
-
- 音声をテキストにテキストにする[音声認識アプリ+トランスレーター(翻訳アプリ)]。
ウィンドウズはトランスレーターアプリ(無料)を提供している。
- 翻訳アプリ……文字、音声、画像+同時翻訳
- Skypeの翻訳アプリ
- Edgeの翻訳アプリ
- Out lookの翻訳アプリ
- Power Pointの翻訳アプリ
見ること・読むことの困難
デジタルデータの調整・読み上げ(デジタルデータの入手)。
- スクリーンリーダー
- ヘッドセット
- 点字ディスプレー
AccessReading……障害により読むことに困難のある児童生徒に向けた教科書・教材の電子データや同じく読むことに障害のある人々に向けた書籍データの提供
書くことの困難
- カメラの活用
- デジタルノートアプリ
- 音声入力・予測変換
Webアクセシビリティを実現する要素
- ウエッブコンテンツ
- 作成ソフト
- ブラウザ
注意すべきこと
- 視覚障害のある方……色だけで情報を示さない。色のコントラ酢を付ける。拡大・縮小ができる
- 聴覚障害のある方……音声だけで情報を提供しない
- 肢体不自由のある方……マウス以外でも捜査ができるようにすること
- 認知障害のある方
- 読むことに障害のある方
- 高齢の方
ガイドライン、制度
- 米国リハビリテーション法508条……アクセシビリティスタンダードを定める(1986年)
- w3c(World Wide Web Consortium)(1999年)
- JIS規格「JIS X 8341-3」制定(2004年)……『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ』
- 障害者雇用促進法……50人以上の企業に2%以上の身体障害者・知的障害者の雇用を義務づけている
- 障害者差別解消法……「不当な差別的取扱の禁止」、「合理的配慮の提供」(2016年4月施行)
HoloLens(ホロレンズ)の紹介
自分がその場にいながらバーチャルな空間と融合した世界が体験できます。
通常のパソコン機能に、適用アプリを付加。困難のある方にもHoloLensで、現実と仮想を融合。
マイクロソフトのミッション
地球上の全ての個人と全ての組織がより多くのことを達成できようにすること
以上
このセミナーで紹介された技術は、傷害者や高齢者は勿論健常者にも有効であった。
それとともに、この技術の進歩には驚かされた。