北海道の魅力と観光を考えるシンポジウム

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10月27日(火) アートホテルズ旭川(旧ロワジールホテル)で開催されました。
撮影が禁止されていましたので、配布されたブログラムを掲載します。


2015.10.27

主催は、北海道と一般財団法人北海道建設技術センターで、後援には、国土交通省北海道開発局、国土交通省北海道運輸局、東日本高速道路株式会社北海道支社、北海道市長会、北海道町村会などが名を連ねています。

シンポジュウムは、講演とパネルディスカッションの2部構成で、たっぷり、4時間の内容でした。
前段の講演では、北海道博物館長の石森秀三氏とふらのまちづくり(株)専務取締役の湯浅篤氏が講師で、それぞれ、

  • 「ホッカイドウ・アズ・ナンバーワン 北海道の観光と道路の未来を考える」
  • 「フラノマルシェの奇跡」

と題して話されました。
また、後段のパネルディスカッションは、石森秀三氏がコーディネーターを務められ、

  • 上野 砂由紀氏 (北海道ガーデン街協議会 副会長)
  • 桑島 繁行氏  (知床北こぶしグループ 代表取締役社長)
  • 佐藤 譲 氏  (北海道地区レンタカー協会連合会 会長))
  • 村澤 規子氏  (北海道バリュースコープ(株)ぐうたび北海道 編集長)

の皆さんをパネリストとして、

  • 「世界が憧れる北海道観光 魅力向上への道すじ」

をテーマに討議が行われました。


ホッカイドウ・アズ・ナンバーワン
北海道の観光と道路の未来を考える

データ、事例を元に北海道の現状を見ると厳しい局面にあるが、そのポテンシャルに気づけば、大きな可能性を秘めていると、以下の項目についてお話をされました。

  1. 岐路に立つ北海道……少子化の問題(出生率、人口減少+長寿化)
  2. ホッカイドウ・アズ・ワースト5……幸福度ランキング
  3. 「人口ボーナス(bonus:賞与・褒賞、人口増大)時代」から「人口オーナス(onus:重荷・負担、人口減少)時代」へ……人口オーナス時代の企業経営・地域経営・ライフスタイル
  4. 世界の中の日本の競争力……Japan As Number One(Ezra Vogel 教授 1979年)、旅行・観光競争力レポート2013(日本は全世界140カ国中14位)
  5. アジア諸国の躍進……アジアからの訪日客
  6. 2010年代における観光ビッグバン=グローバル化への対応……第1次~第4次観光革命、中国の躍進
  7. 観光のグローバルトレンド(世界的潮流)……2極化(「ローコスト・トラベル」対「ラグジュアリー・トラベル」)、アジアにおけるLCCの成長、1,000万人を超える世界の富裕層
  8. 北海道のポテンシャル(Hokkaido As No.1)……観光資源・観光魅力の宝島、感幸・歓交の大地、北海道遺産、ライフスタイルツーリズム、セカンドホーム・ツーリズム
  9. 日本人の暮らしは変わるか?……「オールド・ノーマル(古い基準)」と「ニュー・ノーマル(新しい基準)」、日本人の貧困化、ライフスタイル・イノベーション
  10. 「低炭素化」対応シナリオ(国立環境研究所ほか 「2050 日本低炭素社会」 07年)……シナリオA(経済発展・技術志向:アーバンライフ志向)対シナリオB(地域重視・自然志向:グリーンライフ志向)
  11. ライフスタイルビジネスの可能性……北海道は「ライフスタイルビジネス」の宝庫(「衣」「食」「住」「遊」「学」「健」「美」「芸」)、SNSがライフスタイルを変える
  12. ライフスタイル・ツーリズムの時代=成熟社会化への対応……成熟社会における「ライフスタイル・ツーリズム」、「観光」から「感幸・歓交」、「食」と「健康」「美容」「芸術」「医療」とのコラボ
  13. 観光立国をめぐる「不都合な真実」……観光立国実現のための資金・人材は?、ローカルコンテンツ比率?、観光の質?、地域資源を活用した観光?
  14. 北海道における観光と道路の問題点……「観光インフラ」の根幹、少ない観光分野の公的予算、観光分野の専門的人財の不足、地域観光ビジョンと戦略不足
  15. 「北海道移住」促進への期待……体験移住
  16. 「北海道博物館」の誕生……2015年4月オープン、北海道開拓記念館+道立アイヌ民族文化研究センター

フラノマルシェの奇跡

ラベンダーやテレビドラマ「北の国から」の放映などを契機に、全国から観光客が多数訪れるようになり、年間200万人を超える代表的な観光地になっている。
しかし、その恩恵はまちなかには及んでいない。

空き地・未利用地が多く、公共事業の減少、空き店舗の増加、人口の減少、小売り販売額の減少が続いてきた。
中心市街地の居住人口が減少し、空き店舗が増加することにより、地域の商業も衰退・崩壊し、地価が下落する。

そのような中、市内中心部の病院が移転し、来院していた一般市民が足を運ぶ機会が減少した。
市街地の活性化を考える場合、駅前に注目しがちであるが、駅の乗降客は非常に少ない。駅前を考えるより、通行量の多い国道に着目すべきである。

また、地方にあっては、機能を分化し、種別を集積することは、街中コミュニティの崩壊を招く。
中心市街地の魅力が薄れ、公共投資も矮小化(経済性の欠如)しかねない。

「中心市街地に賑わいをもたらすか?」、「経済的に成り立つ(商業の活性化)か?」、資源の絶対量が足りない中、経済パイをどう増やすかを考えた。
「食」をテーマに、まちなかに賑わいを創り出していくための複合商業施設として、2010年4月28日に「フラノ・マルシェ」をオープン。

「フラノ・マルシェ」は、ある意味では「道の駅」であるが、駐車場を少なくし、人を重視(人に優しく)した。
観光に携わる人、観光に訪れる人に魅力を感じさせ、観光客や日々の交流者を「まちなか」へと誘う。

2010年のオープン以来、毎年右肩上がりの成長を遂げ、入場者数は,年間80万人をている。
中心市街地に新規に創業するお店も増え、周辺の公示価格、路線価格が上昇するという効果をあげている。

世界が憧れる北海道観光
魅力向上への道すじ

  • 自己紹介

始めに、各パネリストの自己紹介と活動内容が紹介されました。

 上野砂由紀さん
元々は米作り農家。訪れる人に楽しんでもらおうと、花を植えてみた。
口コミで、ハイシーズンには道外からも訪れるようになった。
北海道だからこそ、冷涼な気候だからこそ、開花期も異なる(バラの花びらをとっても、北海道は多い)。
都市と農村の交流ためのイベント(ウェディング、週末マルシェ、異なる文化の発信)も行っている(要素があるとイベントを開くと人が集まる)。

桑島繁さん
現在63歳。101年前、香川県から入植した3代目。旅館業43年。
平成11年(1999年)は、北海道への入り込み数が最大になった年。
その後減少が続くが、地区別に見るとオホーツク圏のみは増加している。それは道路網(高速道)の整備によるものである。
道内観光客・道外観光客は言ってみれば固定票であり、海外観光客は浮動票である。
航空路線を見ると国内線の定期便は路線、便数が減少している。それは自由化の影響である。
空路線は、西高東低。北海道の気候も影響している。

村澤規子さん
5年前、「ぐうたび北海道(じゃらんネット版)」を立ち上げ。それまでは、リクルート関連の仕事。
北海道の情報発信(北海道の魅力・価値をスコープし発信)する。
道内トップクラスのアクセス数(30万件/年)&会員数(4万8000人)!
バリュ-7(食、温泉、景観、お土産、体験、アート、歴史・文化)をバランス良く。
地域の魅力を再編集し、発信(周遊観光ルート、モニター観光)
北海道で人気のホテル&温泉を現地交渉して、特別プライスで!

佐藤譲さん
全国のレンタカー事業者と保有台数の推移は順調な成長を続けている。
北海道内における主要9空港のレンタカー利用実績を見ると2011年以降順調に伸びている。
北海道内における主要9空港のレンタカー利用実績を月別に見ると8月がピークで、今年度の8月までの実績は、中標津空港を除き、どの空港も前年実績を上回っている。
訪日外国人のレンタカー利用状況は、2011年以降著しい増加を示しており、2014年度では24,243台(対前年比39.1%増)となっている。
外国人レンタカー利用者の課題として冬道の事故防止と交通ルール(「止まれ」の標識)などがある。
北海道新幹線の開業に向け、「開業記念スタンプラリー」を検討している。

  • 魅力向上への筋道

続いて、次の10件のテーマについて、パネラーから考えが示された。

  1. 外国人観光客
    外国人観光客は、ガーデンまでは関心が無い。
    海外観光客を抜きに観光は語れない。……日本人観光客は間違いなく減っている。
    知床で顕著なのは欧米人(バードウォッチャーなど)
    北海道の魅力、地域の魅力が伝わっているか?……きちんとした情報発信が必要。
    2020年まではレンタカーの利用は右肩上がりは間違いないが、その後、どうなるか?。……英会話スクールなどの実施。
  2. 団体客→個人客
    ネットメディアは無視できない。
    タイムリー・正確に情報を発信することが重要。海外旅行者はSNSの利用が活発(ロビージャックされた感を受けることも)。
    価値が多様化している。マス→ネット化が進んでいる。「何時」「誰と」「何を」が重要。第3者を介しての発信(口コミ)は信頼される。
    Wifi環境は2社ほど、各社も検討をしている。
  3. 体験型・滞在型観光
    利用客は満足度を追求する。体験型を必ず組み込むようにしている。
    まちあるきツアーなど、あるものを探す。人(人の魅力)と触れ合うことの満足度もある。
  4. リピーター
    ガーデンは季節によって変わる(年間パスポート)。ルートは同じでも魅力を変えて発信する。
  5. 周遊観光
    広域連携は必要。オフィシャルパートナー、ランチなどの食材、ガーティナーの勉強会など。
    ツアー観光のお手伝い(峠の渋滞情報、イライラ解消、冬の凍結情報)、使いやすい地方空港の整備が必要。
    道外、海外からの観光は空港を利用する視点から、インフラ整備は必要。
    ひがし北・海・道は悠久の自然美、コントラスト。アジアの宝。5つの空港のエゴを無くそう。
  6. 景観を活かす
  7. ユーザー目線に立つ
  8. 地域連携
    各地域を連携する。祭りを連係させる。
  9. 各交通機関フリーパス
  10. 北海道新幹線開業
    物凄いビジネスチャンス
    興味(潜在ニーズ)は絶対ある。
    はこだてをはなれて、他でもエリアの総合力で売り込め。今が頑張り処である。
    一日に一万人は来る。どこの市町村も恩恵のないところはない。
  • その他

休みを取って歩くこと。有給休暇を定着させることが重要。
大事なのは、継続させること。動かすのは人。人づくりが重要。

バリュー7を1つの市町村で完結するのは無理。
自ら遊んで歩くこと。来て下さいだけでは駄目。

農村風景もガーデンの一つ。
寄り道観光、よそ者に自分たちの町を見てもらう。

以上がシンポジュウムの内容です。
身近なテーマだけあって、それほど時間を感じさせませんでした。

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