地域づくりセミナー in 上川

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「地方創生の新たな展開による地域づくり」

セミナー会場 2017.06.23

主催者挨拶

6月23日(金)アートホテル旭川で開催されました。主催は、上川総合振興局です。
北海道顧問の増田寛也氏による、「地方創生の新たな展開による地域づくり」と題しての講演でした。

主催者挨拶(総合振興局長 渡辺明彦氏)に続き、増田寛也氏による講演が行われた。
氏は、元総務大臣。現在は、日本創生会議座長、東京大学公共政策院客員教授、野村総合研究所顧問などの肩書きを有します。

【講演概要】

増田寛也氏

 人口減少

日本の総人口は2008年の1億2808万人をピークに減少に転じた。
国立社会保障・人口問題研究所の推計は、2053年には1億人を割り込み、2065年には8,800万人になると予測している。

2016年に、出生数が1899年の統計開始以来始めて、100万人を割り込んだ。
同年の合計特殊出生率は1.44で前年比0.01ポイントマイナス。

特殊出生率を都道府県別に見ると、最低は、東京の1.24。北海道もそれに次いで低く、1.29である。
総人口に占める65歳以上の現在の26.6%が10年後には30.3%、50年後には38.4%と推計されている。働き手の人口(15~64歳)は、60.8%→58.5%→51.4%となる。

現在80.75歳の男性の平均寿命は50年後には84.95歳になると予測されている。女性は86.98歳→91.35歳となる。
東京圏(千葉県、埼玉県、東京都、神奈川県)、名古屋圏(三重県、愛知県、岐阜県)、大阪圏(京都府、大阪府、兵庫県、奈良県)、地方圏(その他の道県)別に若年人材の流出状況を見ると、バブル期は地方圏から東京圏、名古屋圏、大阪圏への流出があったが、安定成長・バブル経済期からは東京圏への流出となり、それがバブル崩壊後も続いていたが、2015年には名古屋圏、大阪圏も流出に転じている。

地方圏から東京へは、毎年、20代の若者を中心に約10万人が流出している。
東京一極集中は世界的にも例は少ない(アジアでは韓国が高い)。

 地方創生の課題
  1. 地域活性化(ふるさと創生)
    地方での「雇用の場の創設」……若い人材、単純労働が不足→目的意識、やり甲斐があればやってくる
  2. 働き方改革
    長時間労働の抑制、男性の家事・育児参画
    女性活躍、同一労働・同一賃金、テレワーク 等
  3. 結婚・出産・子育て支援
    待機児童解消、日本版「ネウボラ」等
  4. イノベーション
    AI、ロボット、IOT、ピグデータ、ICT 等……今は労働人口は増えている。代替できることはAIで、第4次産業革命:導入コストと生産性の見合い
  5. まちづくり
    コンパクト+ネットワーク……鉄道(在来線):インフラ?
    「空き家」、「不在者不明土地」対策
  6. 移民、事実婚
  7. 東京一極集中の規制
    東京23区内の立地規制
 まち・ひと・しごと早逝基本方針2017(概要版)

紹介のみ

 地方創生のポイント
  • 危機感不足 -良質な「しごと」の不足
    • 危機感が足りない(特に政令市)……失敗すると地域が消滅するという意識
    • 低迷する生産性……今までの仕方を良いものにする
    • やりがいのある職場が不足……ネタは地域に転がっている(ものづくり、農業、…)。
  • 解決のカギ -全国の「プチ東京化」が地方の個性や魅力を失わせた
    新幹線が加速させる(営業所の撤収)。大きいものが勝。北海道は距離が多少の救い。

    • 「しがらみ」と「横並び」を壊す……万民向け(いつでも、どこでも、誰にでも)+正反対のものを提供(マニア向け、自分の好み)
    • 「作る」より「伝える」に軸足を移す……SNS、LINEにどう載せるか
    • 人材、資金が自由に出入りする、開放的な地域経済づくり
    • 地方創生の「作り手」を育てる
  • 解決に向けた処方箋 -地域の「火付け役」が必要
    ミッションをクリアカットに→デザイン、戦略。工夫して何が「良さ」なのかを伝える。伝え方も従来のやり方ではなく。
    外からの目、プロの目。
    北海道は観光の4要素(四季の変化、豊かな自然、伝統・文化、酒・食べ物)が充実。地域の良さを見せる。日本の文化を残す(観光)。道北・道東に人を流す仕組み

【分野別アプローチ】

  • 地域の魅力のブランド化(ローカル・プランティンク)
  • 地域の技の国際化(ローカル・イノベーション)
  • 地域の「しごと」の高度化(ローカル・サービス生産性)
  • IOTの戦略的活躍の推進
  • 対日直接投資の活用
  • 稼げるまちづくり

【分野横断的アプローチ】

  • ゴールとトップと「創り手」組織
  • ゴールを作る:「総合戦略」の策定
  • 人材を育て、地域に根づかせる
  • 「創り手」組織づくりに取り組む
  • ソーシャル・ベンチャーの育成
  • 地域経済牽引事業の育成

地域づくりセミナー in 上川」への2件のフィードバック

  1. 地方創生の仕事は、ここ2から3年都合により離れていますが、ここ九州にて成功事例と取り上げられるニュースをたまに聞くことはありますが、個人的には疑問が付きまとう事例が多い気がします。
    なにかのネットで2、3年前に読んだ記事ですが、都市部は貨幣経済で、地方は物々交換経済(すいません。正確に記憶していません。)が現存しているといわれていた有名な方がいます。地方経済の活発化を地方創生というのか、それとも昔ながらの土縁や血縁による方たちによる物の交換の輪に、他者が加わり広がりをみせることを地方創生というのか。最近考えさせられることがあります。
    農業政策一つとっても、農地の大規模化による生産性の高い、海外農産物とも価格競争力のある農業経営者育成も一つの方向性かとは思いますが、他方で地域伝統や文化を守る活動も尊い地方創生かと思います。ここ九州に戻り10年を過ぎましたが、人材の面で考えれば、地方は圧倒的に後者の人材が豊富(だが、失われつつある)であり、前者は少ない(経験がない)のも事実です。弱みを強みに変えるより、強みをさらに強くする取り組みに力点を置く気もするのですが・・・・。
    GAPやHACCP以外に、神田さんとは地域通貨についてもよく議論しましたが、一つの解決策になると思いますが、これはなかなか世の中に浸透しないですね。

    • 地方創生の成功事例は数多く存在しますね。
      それでも、それらを参考にして、どれほどの地域が救われてるのか。成功事例として紹介される取り組みを見ると必ずキーマンが存在しますネ。
      明確な目的意識と、失敗しても諦めずに再挑戦する、強い指導力などに感心させられることが多いです。
      ただ、現実には、そのようなキーマンが、活力を失いつつある地域に存在するかが問題と考えます。
      高齢化の進む地方は、都市部と比べ物質的には恵まれている?……では、何が、根本的に不足しているのか。
      個々の世帯(独居世帯、老人世帯、親子同居世帯)によって、その認識度は異なると思われます。
      上からの目線ではなく、当事者の目線になって対策を講ずる必要があると考えます(上から目線では、ともすれば、優良事例のキャッチコピーに陥りやすい)。
      農業政策については、2者択一ではなく、両者の共存が必要と考えます。
      国民全ての食を有機栽培、特別栽培のみで賄うことは困難です。農業経営者は闇雲に農薬肥料を使用しているものではないことは周知の通りです。
      農業後継者が育っていない現状を何とかしなければ、大変なことになります。大規模化、効率化は必然です。貿易自由化は逆行する施策ですが、こうした荒治療を実施しなければ農業改革が進まない現実があるように思っております。
      問題は、貿易自由化の影響を最小限にくいとどめるためにどのような政策を講ずるかだと思います。高付加価値化、ブランド化など実情に即した対応が必要でしょう。
      地域通貨は、殆ど目にする機会が無くなりました。
      手段としては、今でも有効と考えておりますが、運用には余りにも手間暇が掛かりすぎる。また、特定個人へのしわ寄せが大きいことが、普及の妨げになったと考えます。

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