食&ものづくりフォーラム in 旭川

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産学官連携支援シンポジウムが2月1日(火)グランドホテルで開催されました。

2011.02.01-01

開会挨拶-2011.2.1

開会挨拶-2011.2.1

主催は、産学官連携支援協議会(事務局:(社)北海道中小企業家同友会)で、(社)北海道中小企業家同友会旭川支部の共催によるものです。
フォーラムは、「基調講演」と「パネルディスカッション」、「交流会」 の3部構成(交流会は不参加)です。

「基調講演」は、小樽商科大学専門職大学院 ビジネススクール教授 北海道大学農学博士東海大学客員教授 瀬戸 篤氏による「道内食品産業の現状分析と求められる経営革新」と題する講演です。
「パネルディスカッション」は、東海大学(北海道キャンパス)副学長 西村弘行氏(札幌)がコーディネーターとなり、

西川市長

西川市長

  • ㈱大金代表取締役 金田道従氏(旭川)
  • かわにしの丘しずお農場(株)代表取締役社長 今井裕氏(士別)
  • (財)十勝圈振興機構事業部長 大庭潔氏(帯広)
  • 旭川食品産業支援センターセンター長 阿曽沼勝氏(旭川)

の4氏をパネリストとするもので、テーマは「道北で食クラスター~6次産業化と地域経済・振興~」です。

基調講演に先立ち、主催者挨拶、来賓で来られた西川市長の挨拶がありました。

基調講演

瀬戸篤氏

瀬戸篤氏

瀬戸氏は、1958年北海道北見市生まれ。
英国留学を経て、83年小樽商科大学商学部卒業。

1983-95年北海道電力株式会社に勤務、同社から国際大大学院・ニューヨーク大経営大学院に派遣留学。
1995年小樽商科大学商学部助教授(経済データ解析論)。1999年より同大学ビジネス創造センター(CBC)副センター長を併任。

2005年小樽商科大学専門職大学院ビジネススクール教授(起業論)。 2007年東海大学客員教授。
主な論文は「大学発ベンチャーマニュアル~創設から廃止まで~( H16年3月)」。

道内農業について産業連関表を用いて分析すれば、過去一貫して輸出(移出)は伸びているが、付加価値は(儲け)は伸びていない。
それは、未加工のままで大量に道外に移出されていることを表す。また、農業は未加工・加工を問わず、道内GDPと雇用創出に大きく貢献していない。

道内食品産業の輸出(移出)が増えると、道内農業への波及効果は勿論、他産業への波及効果も大きい。
アグリ・フーズビジネスに求められるのは、食品産業の輸出(移出)と付加価値率向上にある。それは、中間投入(原材料)を押さえるか生産額を大きくするか。

生産額を上げるには、

  • 冷凍化による保存期間の延長……投資(冷凍技術、保存技術全般)
  • 加工度を高め輸出(移出)を増やすこと……品薄期に出荷を増やすビジネスモデル
  • 道産素材(農産物)にこだわり、ブランド力を強化すること……パッケージングと値引き要求に負けない姿勢
  • 価格を上げる戦略……PBは底なしの値引き要求、単一ルートでは売らない、仕入れと出荷先を考える
  • 原産地と加工地の明示による「made in Hokkaido」差別化戦略

が必要。

道産素材(農産物)にこだわり、ブランド力を強化することとは、加工はどこでもできるが、誰もまねることができないことは、そこでしか収穫できないこと。
だから、徹底的に素材にこだわり、素材の加工で勝負すること。

イメージやPR戦術は資本力の差で勝敗が決する。それよりも、「北海道産」にこだわっていることを全面的に打ち出すパッケージが重要ということ。
原産地と加工地の明示による「made in Hokkaido」差別化戦略とは、そもそも新鮮で安いことは間違っている。新鮮なら高くなくてはいけない。

だから、新鮮なものを高く売るため、原産地と加工地の統一北海道ブランドを創り、表示を大きくし、原産地における安全性に関する徹底的なPRが欠かせないということ。
イノベーションとは、新しい物を生み出すことのように思われがちだが、シュンペーターによる<5つの旧い生産手段>

  1. 商品・サービス
  2. 生産方法
  3. 販路
  4. 原料・半製品
  5. 組織

を<5つの旧い生産手段>組み替え=新結合させることである。
ヒト・モノ・カネ・情報・デザインであり、最も投資すべきはヒトとデザインである。 ビジネスモデルを考える上で考え無ければならないのは、

  • 固有の技術・ノウハウは?
  • 技術・ノウハウを求める顧客は?
  • 技術・ノウハウと顧客を結びつけるものは?

であり、

  • マーケティング戦略
  • IT戦略
  • パートナー獲得戦略

が欠かせない。 最後のまとめは、

  • 粘り強くネバーギブアップ。
  • 安易な値引きをしない。
  • カネで集まる者はカネで去る。志で集まる者は志を遂げるまで去らない。
  • チャンスは、99%失敗の後に突然やってくる。

でした。

パネルディスカッション

西村弘行氏

西村弘行氏

西村氏は、全道産学官ネットワーク推進協議会座長など公職多敷。
新しい機能性食品の研究と團発に従事。道内初の大学発ベンチヤーを立ち上げられる。

金田氏は、旭川で栽培した「謎靭そぱ」を生産。
ホワイトアスパラを活用した食酢と道産ピクルス食品を開発される。

今井氏は、士別特産のサホーク羊の飼育。
建設業という異業種から農業へ進出。将来は観光農場構想を展望されている。

大庭氏は、十勝産農畜産物からの新規機能性素材を発掘。
数多くの新商品を市場に提供。畜産衛生学博士。

阿曽沼氏は、日本ハム(株)旭川工場長及び茨城工場長、日本ルナ(株)社長を歴任。
旭川発の新しい加工食品をサポートされている。

金田・今井・大場・阿曽沼氏

金田・今井・大場・阿曽沼氏

冒頭、コーディネーターから今テーマの目的と農林産物および食品加工商品の開発ポイント

  1. 国際的に優位な道産(道北)地域食材の開発:有機農産物生産、高機能性育種(TPP対策)
  2. 食材および加工製品のストーリー性
  3. 食材の色・昧・香り(2次機能)に対する消費者からの認知度
  4. 健康機能性(3次機能)が証明させた製品
  5. 安全性と安心性の確保
  6. 利便性とデザイン性の追求
  7. 市場ニーズの合致した適性価格

が紹介され、各パネリストから、自己紹介と食品産業への取り組みについての紹介がありました。

引き続き、未利用資源の活用、開発・販路・流通における連携、技術の商業化、社会貢献について、会場からの報告も交え、たっぷりと2時間、内容の濃いパネルディスカッションでした。
未利用資源では、「サケ節」の話、製餡工場の「煮汁」の活用、天塩川の「伏流水」の活用、韃靼そばの「製品化」の話がありました。

開発・販路・流通における連携では、「北海道ブランド」は次第に通用しなくなって来ている。
デザイン力が求められるといった話がありました。

社会貢献については、「三方良し」を引用し、どのような社会貢献を行っているかの紹介でした。
3時間半にわたるシンポジウムでしたが、比較的関心のあるテーマでもあり、それほど長いとは感じませんでしたが、流石にメモを取るのは続きませんでした。


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